ヨルシカ 春泥棒 フル
ヨルシカの『春泥棒』のフル動画がスゴイ再生数とのこと
どんな動画なんだろう?
そう思って何の知識もなく、とりま観た感想
「このモヤモヤ感は何?」
圧倒する映像と不意をつく展開に「誰かのアタマの中をのぞいてる」ような感覚を覚えました。
そこでこの動画(曲)の背景を知りたくて調べてみると、ネットでのある人の考察コメントが刺さった・・・
(以下、抜粋)
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考察(超長文)
最大のヒント:「桜を命に喩えます」
まず、MVの視点の女性は「盗作」の主人公の故妻で間違い無いでしょう(MV内の男が思想犯MVの男に酷似、アルバム特典の小説に出てくる手作りの筆箱、出会いのピアノホールなどなど)。
歌い出し-1サビまではおそらく妻がまだ生きている頃の描写です。
動物に好かれやすかったという彼女に、コーギーは素直に懐きます。
男とも平穏に花見をし、特に問題はないように見えます。
「現実」を普通に生きているようです。
1サビに入ったところは、妻が自分の死を感じ始めたところでしょう。
男が急に妻の横を離れ、彼女はそばに寄ろうと追いかけますが、中々近寄れません。
彼女がこの世から、だんだん離れていくようです。
「今、春吹雪」=「今、命が散り始めた」
Aメロ-2サビではコーギーの反応が変化します。
犬は彼女の方を見るも、さっきのように鳴いたり跳ねたりはせず、興味を失った様子です。
これもまた、妻の存在が現実から薄れていくことを暗示しているのではないでしょうか。
これを受けて、妻も不安に駆られたようで、ふと横を見ると思い出の筆箱が置いてあります。
それを手に取り、涙する妻。
ここは証拠はなく完全に個人的な解釈ですが、「もうすぐ自分が死んで、これが形見の品になってしまうことを悟り、申し訳なくなった」、だから涙を流した、そう考えると美しいと思います。
2サビから時間の巡り方が曖昧になってきます。
最初に写る、雨に打ちひしがれた男の姿は「妻がもうじき死ぬことを知って絶望している」、あるいはもっと未来の姿で「妻が死んでしまって絶望している」の二つの解釈の仕方があると思います。
これを分析してると紆余曲折してしまいそうなのでとりあえず割愛します(いい加減)。
ただ、その後に写る宙に漂っているような一本桜は、「あの世」の描写だと思います。
人がおらず、無限に続いていくような不気味な列車に乗せられて到達するようなところはおそらく現世とは違う場所でしょう。
また、よく見るとこの大木の周りの花はおかしな舞い方をします。
他の桜の花びらは確実に下に向かって散るのに対し、この木の周りでは無重力であるかのように無数の方向に花びらが舞います。
「命」を表す花びらが散らずに、木を囲うように舞うこの木はあらゆる命の源を表すのではないでしょうか。
輪廻転生が主軸となっているヨルシカの世界観では、「命の源」こそが死んでから辿り着く場所でもあるのでしょう。
死期が迫り、本格的にあの世が見えてきた妻は、命「散れり、まだ春吹雪」が続いているのでしょう。
Cメロ-ラスサビまでは、妻の死ぬ直前を表していると思います。
コーギーは完全に彼女に興味をなくし、「動物に好かれやすい」という個性とともに彼女が消えていく様が描かれているようです。
また、ピアノホールでの出会いの場面や手を繋いで歩いた記憶、セッ((の思い出[ちなみに、この描写には驚かされました。今まで性的な比喩とは無縁だったヨルシカに、「体を合わせることの愛おしさ」という今までになかったメッセージは新鮮で心温まりました]という過去の様子が次々に現れる様子はそれこそ走馬灯を表しているのでしょう。
それでも、死と夫との別れに苦しむ中でも、彼女のあらゆる記憶は、「夫の笑顔」で締め括られている(3:35)。最後まで幸せそのものだった。
本当に自分勝手な解釈かもしれませんが、こう考えると、僕はガチで泣かされます。
ラスサビ、ついに妻が亡くなります。
あの世の大木へと二人で赴き、彼女は木の前で消えてしまいます。
ギリギリの最後まで付き添っていた男の愛の深さも伺えますね。
最後には、形見の筆箱を手に沈む男の姿が見えます。
ピアノホールの外に桜がもうないことを見る限り、妻の命が尽きた後の光景だと考えるのが妥当でしょう。
手を出して励まそうとする妻も、もう死んでしまっているため届きません。
それでも、あなたと生きた時間は幸せだった。あなたと大好きな花をみれてよかった。あなたと春を過ごせてよかった。あなたに「命」を預けられてよかった。
そういう思いとともに、桜の花びらを一枚、最後に託します。
アルバム「盗作」で綴られた、妻を失った苦しみや悲しみ、そして最大のテーマの一つでもある孤独感に対する、最高級のアンチテーゼでしょう。
「今、春仕舞い」、私の命も終わった。
長々と読んでいただき、ありがとうございます。
こういう考察を試みるのは初めてで、歌詞よりも映像重視の内容となってしまいました。
でも、それだけこのMVには心を打つ強いものがあると信じています。
作成陣には脱帽ですね。
私情ばっかり、しかも穴だらけの考察かと思いますが、すこしでもあなたの、この作品に対する想いに響けば幸いです。
僕はこのMVを見て何度も何度も涙を流しました。
あなたにも大切なものが見つかりますように。
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女性が一度も犬に手を触れておらず、一方、散った桜には何度も触れてるのもこの考察コメントを拝読して納得です。
犬は「生」の象徴、散りゆく桜は「死」の象徴なんですね・・・
もう一度ヨルシカの世界観を味わおう(5分間の現実逃避)。
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